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岡崎好秀
岡山大学歯学部 小児歯科
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最近,軟らかい食べ物が増加したことで,歯周病が増えたと言われている。 これは人間のみならず,サルの世界にも言えることだ。 歯ごたえのある自然のエサと加工されたエサを食べているサルでは, 軟らかい加工されたエサを食べている方が,歯肉の状態が悪く, むし歯も約四十パーセント多いとする調査がある。 サルは歯を磨かないことからも両者の違いは,食物の差であることがわかる。 |
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むし歯や歯周病が増加している。 |
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さて,野生のニホンザルは,主として木の葉や芽,果実,樹皮などを食べている。 これら繊維質を多く含んだ硬いエサは,口の中の汚れを取り除き清潔にする働きがある。 また,よく噛むことで唾液の量が増え,歯の汚れも洗い流される。 まさに硬い食べ物は,天然の歯ブラシなのだ。 余談ではあるが,サルにスイカを与えると種・皮・実の,どの部分から食べるだろう? 驚くことにサルは,種から食べ始めるそうだ。まるでヒトと反対ではないか。 サルは,体のためになる食物を本能的に知っているのだ。 |
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さて,このクイズを小学三年生を対象に行った。 ほとんどの子ども達が,「春」と「秋」にむし歯が増える理由について納得した。 しかし,これに納得できない子どもがいた。 その理由を聞いてみた。 「夏は,暑いからジュースやコーラーをたくさん飲むから!」と言う回答であった。 確かに清涼飲料水は,むし歯の原因となる。 また別の子が,「冬」だと言った。 その理由は,「冬は寒く外で遊ばないで,家でコタツに入ってファミコンをします。 ゲームをしていると,つい何かを食べたくなってお菓子を食べてしまいます。」 なるほど!思わず納得してしまった。 むし歯の原因には,さまざまな理由があるものだ。 さてあなたの回答は,どうだったろうか? |
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▲さて,親も良かれと思い,子どもに甘いお菓子を与えていまいか?