*******私の診療哲学*****



”子どもだから・・”ではなく
+++++++++“子どもだからこそ・・”








“小児歯科”というと,“子どもが泣いて・暴れてたいへんでしょう・・・!”
   ”あんなに泣かれて腹が立ちませんか・・・・?”と言われます。
でも,自分が下手だから子どもが泣いたのだ!”と考えるようにしています。
こう考えると,泣かさないための工夫が必要ですし,それを考えることが自分の臨床の向上につながると思っています。
ところで最近やっと,子どもにどれだけ泣かれようと,まったく平気になりました。
この境地に立つまで20年もかかってしまいました。
「もうちょっと,ジーッとしてくれたら・・,もうちょっと,大きな口を開けてくれたら・・・・やりやすいのにな・・・。
それなのに(子どもが)動いた・・,だから失敗した・・・・などと考えてしまうと,腹が立ってしまいます。
一小児歯科医の私でも,このように思うのですから,他の先生はさぞかしたいへんでしょう。
多くの先生は,ジーッとしてくれない子どもは,悪者にしがちです。
でも,子どもを悪者にすると,その子はいつのまにか来てくれない患者さんになってしまいます。
乳歯と永久歯のむし歯は,強い相関関係があります。 だから,乳歯のむし歯を単に削ってつめるだけでは,永久歯の健康は獲得できません。
乳歯を治療した後は,定期健診を行うことで,口の中の状態を変化させ始めて可能となります。
だからこそ,いつまでも来ていただけるような関係が大切なのです。
だから私は,どんなに泣いても大暴れしても,“悪いのはむし歯だ!むし歯を作った背景だ!”と思うようにしています。
こう考えると,絶対腹が立ちません。
ところで“患者さん”の“患”の字は,“心に串を刺す。”と書くでしょう。
この串を上手に抜いてあげるのが,私たちの役割だと思っています。

私は,むし歯だらけの乳歯を診るたびに,
この子の将来の口の中をイメージするようにしています。

それは80歳で28本の歯が残っている口です。

この子を,将来,このような口にしたい!

そのために,今,どのような診療をすればよいか?
あるいは,保護者に,どのように伝えるか?


さらには,どのような関係を持てば,この子がわかってくれるだろう?
そして,いつまでも来てくれるだろう?
さらには,対社会的にはどのような活動をすればよいか?
このホームページも,その社会的な活動の一つです。
こう考えれば,おのずと一歯科医師として,大切にしなければならないことはみえてきます。
“子どもだから・・”ではなく“子どもだからこそ・・・・”
しておくべきこと,考えておかなければならないことは,たくさんあります。
これは,健康な子ども達ばかりでなく,障害を持っている子ども達でも同じです。

*****************************岡崎好秀



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